これなら読める!【おすすめの本まとめ】厳選した10冊を紹介

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これなら読める!【おすすめの本まとめ】厳選した10冊を紹介

読書メモ公開。私は月に5冊程度読み、読書メモとして感想を一言書いて記録しています。そのなかから10冊を紹介します。

ながまつ
ながまつ

私は図書館で借りて読んでみて欲しくなったら購入します。商品リンクを載せていますので参考にしてください。

はじめに

本のあらすじや著者の言いたいことなどを「情報」として伝えることが、本をおすすめする本来の意図でしょう。いわゆる書評ブログ記事は情報提供するレポート記事です。しかし、一冊の本のたった一文が行動のきっかけを与えることもあります。

著者の伝えたいことなんかはどうでもいい。誰かが「これが重要」といった部分はどうでもいい。読者がハタっと手が止まった言葉は、思考回路を変える糸口または行動を促す布石に繋がる。そのような言葉を探すことが本を読む目的だと私は思います。

どう感じたかなんて人それぞれ。心に刺さるポイントは人とちがって当たり前です。どんなにすごい人のおすすめポイントや書評を読んでも、実際に読む自分に刺さるポイントはちがうところにあります。

AIも含め誰かがまとめた文章や図解を見てもピンとこないのは当たり前です。ベストセラー本でもつまらないと感じることはあるでしょう。あなたにとってのベストではないからです。読んで「これは書き留めておきたい」と手が動くポイントを大切にしましょう。

印象に残っている10冊を紹介

紹介順に意味はありません。

私が「これは書き留めておきたい」と手が動いた文章や感想のメモが多かった本を選びました。

  1. 簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい
  2. 無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記
  3. 自分らしさ」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン
  4. 弱いつながり 検索ワードを探す旅
  5. スナックキズツキ
  6. 日没
  7. 対岸の家事
  8. 虹色のチョーク
  9. そこに工場があるかぎり
  10. あたしだけ何も起こらない “その年”になったあなたに捧げる日常共感書

簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい ホン・ファジョン (著), 藤田  麗子 (翻訳)

何回読み返したわからない。本棚にはしまわれずリビングにずっと置いたままの本です。ときどきめくっては癒されていました。イラストエッセイです。益田ミリさんが好きな人には超おすすめ。文章とやさしいイラストで心の声を発信(代弁)してくれました。

むやみに人と比べて幸せを探そうとする自分が情けなくてたまりませんでした。

以前はしなければならない仕事に大きなストレスを感じていた気がするが、最近はやらなければならないことこそが私の日常を保ってくれているように思う。

2024年に入院したとき、おともに持っていきました。ぜひ紙の本を読んでもらいたい一冊です。

無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記 山本 文緒 (著)

大好きな作家さんの最後の本、緩和ケアを選択された後の体験記です。闘病記はしんどくなるので読まないですが、好きな作家さんの文章はやっぱり読みたくなって購入。続きを読みたいけどいつか終わってしまう日記を読み進めていくと、勝手ですが苦しくなりました。

今、私は痛み止めを飲み、吐き気止めを飲み、ステロイドを飲み(中略)夫に生活の世話をほとんどしてもらったり、ぐちを聞いてもらったり、涙を受け止めてもらったりして、病から逃げている。逃げても逃げても、やがて追いつかれることは知っているけれど、自分から病の中に入っていこうとは決して思わない。

闘病記ならぬ逃病記と書かれています。文章で残していただいたことに感謝。小説のおもしろさを教えていただいた先生。装丁もとっても好みで飾っておきたくなる本です。

「自分らしさ」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン 松浦 弥太郎 (著)

「自分らしく生きる」って素晴らしい考えですが、私はなんとなく気持ち悪い違和感がありました。自分らしいってなによ。著者は「自分らしくありたいという思いは美しい呪縛みたいなもの」であると述べています。邪魔者でしかない自分らしさを捨てるヒントが書かれている本。プライドを捨てるんよ。たとえば「自分らしくないからこんな仕事はしない」こんな思いはどうでもいいんです。自分はどこまで進んでもカスであると肝に銘じまくっておく必要があります。

「どうすれば自分らしいのか?」などという意識を捨てて、夢中でやる。

特に何かを始めたいなら自分らしさなんて捨てたほうがいいです。仕事とは何か?引いては人生とは何か?とか。考えても答えは出ないのに悩みがち。理由を考えずに仕事をするべきだよなと思いました。

弱いつながり 検索ワードを探す旅 東 浩紀 (著)

偶然に身をゆだねて旅に出ようという、旅行と哲学の本。ネットの時代になって人間関係を重視する姿勢が加速している。友人に囚われず、人間関係を必要以上に大切にしなくていいという内容です。

ぼくたちは、ネットのおかげで、断ち切ったはずのものにいつまでも付きまとわれるようになっている。強い絆をどんどん強くするネットは、ぼくたちをそのなかに閉じ込める機能も果たす。旅はその絆を切断するチャンスです。

ネットは自分が見たい情報しか見ることができないし、テキストとリアル体験では得られる情報量がちがいます。もちろんリアルな情報はSNSに書かれていません。リアルの環境を変える(移動する)ことは思っている以上に影響があるのでしょう。引きこもり生活なので旅に出たくなりました。

スナックキズツキ 益田 ミリ(著)

益田ミリさんの本はほぼ読みましたが、トップクラスでお気に入りになった本です。これはマンガなのでさらさらっと読めます。抱えている悩みは解決しないけど、内側にしまいこんでいた思いを外側に出す機会を与えてくれるスナックのお話です。

私が一番印象に残っているストーリーは、デパ地下で働く女性のお話。みんな自己主張するとか、マグマがあふれると比喩的に話すところも共感できました。

日没 桐野 夏生 (著)

私にとってダントツ、小説部門大賞。映画「CUBE」を思い起こした小説です。訳が分からないまま話が進んでいく。長編ですが最後まで一気に読めました。真相が明らかになっていくのか、なっていかないのか、ナゾのまま。ここで多くは語れません。療養所と言われる場所に軟禁される小説家のお話です。まさに夢中。展開が読めないのにグイグイ引っ張られてあっちの世界にドボンしました。

対岸の家事 朱野 帰子(著)

専業主婦のお話です。ワーママ視点の部分は過去の自分を思い出し、泣きそうになりました。共感ポイントが多いとどれだけ長編でも最後まで一気に読んでしまう、快感!を得られた本です。

疲れたらマッサージに行く。休みの日は寝坊する。そんなこともできずに、毎日誰よりも早く起きてご飯をつくる。スーパーに向かう道で花を見て、ゴミを出しに行った束の間の時間で星を見て、力を奮い立たせる。

専業主婦であっても罪悪感を背負い込む必要はありません。家族が気持ちよく暮らすための大切な仕事をしているんですよね。この本を読んで罪悪感が少しなくなった気がします。

虹色のチョーク 小松 成美(著)

「この取材ライターの本を読め!」というどこかの情報に従って読みました。障害者雇用率7割を超える会社が紹介されています。私は障害者雇用に関わったことがあるので、純粋に知識欲が勝ち、最後まで一気に読んでしまいました。経営者や従業員、従業員の家族のリアルを知ることができます。労働で得られることは、人に必要とされ、役に立っていると感じられることです。つまり無価値感を払拭でき、引いては生きていると実感できます。

臨場感があると言った方がいいのか、ストーリー仕立ての書き方に引き込まれました。「〇〇が言った」などの明確な言葉がなくても誰の言葉か流れでわかる書き方で、話の流れより文字に注目してしまいました。

そこに工場があるかぎり 小川 洋子(著)

有名な小説家だと思っていましたが、取材本もあるのかと手に取りました。さまざまな工場を取材されて書かれた本です。私は最初の章、穴を開ける仕事にものすごく興味がわきました。工場の作業員は職人のイメージがあり、あこがれます。

著者の感覚をとおして書かれる文章に惹かれました。取材によって現場の作業員と関わり、どのように受け取って言葉にするのだろうという頭の中の道筋を知りたいです。ちがう方が同じところを取材したらまったくちがった印象を受けるのでしょう。

あたしだけ何も起こらない “その年”になったあなたに捧げる日常共感書 ハン・ソルヒ(著)

タイトルのとおり共感書です。40代の女性なら共感できることばかりが書かれているので、読みやすかったです。「あ、そうそう!」と自分の感情を引っ張り出してくれる言語化能力がうらやましいとも思いました。たとえば「感情の中年太り」「40年ブランドの意地」「中間報告」←40歳なので人生の真ん中という意味

短くも長くもない人生の中で培ったノウハウこそが真理と言わんばかりに、あらゆることを自分の方にはめていくようになった。

年を取るにつれて増えるのは、ぜい肉だけではない。感情にもベタベタと余計なものがくっついてくる。

おわりに

誰かの読書感想文なんておもしろくない。そう感じるときもありますが、新たな視点や人の感性に触れられる機会でもあります。「有益だった」「役に立たなかった」レビューやSNSでつぶやかれる本音もさまざま。誰かの「役に立たなかった」本だってあなたの行動を促すきっかけになるかもしれません。

加えて、冒頭で「私は図書館で借りて読んでみて欲しくなったら購入する」と記載しました。手当たり次第購入しても積読に終わる可能性が高く、まず紙の本を手に取って読んでほしいからです。

本の装丁、見返しの紙、紙の質感、フォント。紙をめくる動作と音。いろいろな感覚が刺激されるので記憶に残りやすい気がします。触覚センサーを駆使して本の世界へ入り込めるんですよ。「あの言葉、真ん中らへんにかいてあったな」など視覚で覚えていることもあります。

以前はKindle Unlimitedを利用しており、Kindle端末をもっていましたので電子書籍を読むことが多かったですが、やはり紙の本がいいなあと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!